2019年07月04日

2019.06.29 くらさんの今日もドライブ日和

FMやまとでのラジオは全世界(笑)でサイマル放送として視聴可能です。

 さて、くらさんの今日もドライブ日和はこの回で終了となり、
次回からは くらさんの今日もツーリング日和 となるのです。
今回は、そんな事もあり、過去の放送分からこんなことをやってましたという企画モノをひとつ出ささせていただき、フリートークの代わりにしたのです。

【人をおちょくる50の方法】
これは、過去記事にも記載してますが、パタリロという漫画の殿下の愛読書として登場するタイトルだけの本なのですが、この中身ってみなさん気になりませんか?僕は、気になってしまいどんなネタなんだろう?と、構想し、ラジオネタとして作ってみた企画物です。

【モーターサイクルフレンドシップ バイクの輪】106回
梶山采千夏(カジヤマ サチカ) 56レーシング
高校二年生のレーサーです。
MotoGPライダー、中野真矢監督の愛弟子として大活躍する若手女子ライダーのホープです。10歳の頃からバイクに乗り、頭角を現しつつ、伸び悩んでいたときに中野真矢監督と出会い、そのひとつひとつのアドバイスはとてもわかりやすく、心に響いたそうです。
僕は常々思うのですが、努力を積み重ねちょっとした挫折を味わい、どうしたら自分がより良くなるか悩み抜いた彼女のような人だからこそ、先駆者のヒトコトが光のように未来を照らし出すのであって、光を照らす側も、受け取る側も素晴らしいのだと確信するひとつのエピソードでした。
娘のように若い人からも、たくさんのことを教えてもらえるラジオという機会に感謝しております。

【横濱ローズ】
なんか来週も番組名が変わっても継続したいというローズさん。
変わった人ですが、孫も実はいるんですよ?
僕がお世話になっているライダーズカフェ、ジョーレンの店長さんだって噂です。
【放送後記の最新記事】
posted by くらさん at 13:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 放送後記

2019年06月28日

モトグッツィ ルマン3 レストア記#4 【motoguzzi lemansV】

モトグッツィ ルマン3 レストア記#4 【motoguzzi lemansV】
zenkei-hikaku.jpg
 さて、いきなりですがあらかた錆びを落とし、そして塗装で錆びを止め、そんな事を繰り返し行なって一ヶ月以上が経過しています。それなりにパーツも揃い出し、ネジを磨きボルトをワッシャーをひたすら磨いてマニュアルが無いので忘れないように部分的にバラし清掃、組み立てを行い、このようなビフォーアフターまで持って行くわけです。
とにかくステップラバーなどのゴム製品がカチコチのプラスティックのようになり、ヒビや割れが進行し、内部が錆びています。このステップラバーがなかなか手に入らず、茨城にありますノブヒルさんとWKRCで知り合った縁で多くのパーツを安く譲っていただきました。
グッツィや海外の旧車に造詣の深いノブヒルさんは旧車の販売も行なっており、ものすごく状態の良いモトグッツィのレアな旧車や、イタリア製の当時パーツにこだわったバイクを展示しています。
riahaub.jpg
その都度、外付けにバッテリーを繋いで通電チェックを行いながらの作業となります。注意点はサンポールを使って錆び落としを安価にしたものは翌日にはもう錆びがぶり返してしまいます。ですからしっかり錆びを落とした後は塗装なり、錆び止めケミカルを丁寧に塗布してあげなければなりません。

モトグッツィはほとんど全部と言って良いほどの車種が歴史あるドライブシャフトを介してリアを駆動するシステムになっていて、チェーンのメンテが必要ありません。これがチェーン駆動のマシンならばスプロケ関連やチェーンを新品に交換すれば済むとも言えますが、内部にオイルの皮膜がおそらくは残存している訳ですからハブにしてもギアにしてもエンジンにしても大きなダメージは無いと推理して作業を進めてきました。
engine-naibu.jpg
いよいよ物語は核心に入ってくるのですが、どうでしょう?
アルミ製シリンダーに、ニカジルメッキが施されたエンジン内部は予想通り美しい状態を保っていました。イタリアの工業製品やドイツの工業製品の当時のレベルがとんでもなく高い事がよくわかるかと思うのですが、どうでしょうか?

浅間ミーティングなど旧車の多いイベントに行くとよくわかるのですが、当時のヨーロッパの鉄やメッキなどの品質は圧倒的に日本より高いと思います。特に自転車など趣味にしている人は理解しやすいと思うのですが、細かく繊細で耐久性が異様に高いのです。そもそもモトグッツィ が長い歴史を生き残れたのは頑強で整備がしやすく、壊れないというモノヅクリが国の警察の白バイや軍、アメリカなどの白バイや世界に向けての輸出で評価されたからです。
対して日本の良さは他には真似できない圧倒的な流通量における大量生産による画一的なデータサンプルの蓄積による、トラブルの回避であり、高性能化です。これは素晴らしい事であり、世界に冠たる日本メーカーとして誇りに思うところじゃないでしょうか?でも、古くなって行くと、維持が困難なのが日本製品で、メーカーがパーツをすぐ作らなくなるのは新しい物を買って欲しい理由もあるでしょうが、欧州はパーツが無いのは日本だけで、海外から仕入れれば潤沢に存在します。

エンジン内部に収まったオイルフィルターは14本の13mmのネジと、プラス数本で止められたオイルパンを外さなければなりませんが、外せばこのようにクランクからピストンまで下から丸見えの状態になります。これを整備性が良いととるか、面倒と取るかなのですが、頑強にシンプルに作られたエンジンは腐食することなくニカジルメッキで守られ、オイルパンを外せばエンジンがなにかしらの理由で不具合を起こして金属が剥離したり、壊れてもこのオイルパンに落ちますので、すぐに原因が特定可能で、健康状態も推察しやすい作りになっています。
製造から36年、放置10年の車両の中身としては、もちろん走行距離が2万もいっていない事もありますが、綺麗な状態を保っているのではないでしょうか?

デロルトキャブから社外のエアクリ、パワークリーナに変更されていて、ケミカルで清掃後、クリーナーオイルを塗布して装着です。ノーマルの箱型も考えましたが、整備のしやすさを考えてこのまま使います。

オイル、フィルターを交換したら今度はプラグホールからオイルとガソリンを少し混ぜた物を挿入して、ギアを噛ませてリアタイヤを懸命に回してピストンとシリンダー内部をなじませます。
レストア作業はライダーズカフェ、浄蓮で行なっていたので、若いお客さんが手伝ってくれたりします。
音を聞いてみてください、ピストンが上下してキャブからエアを吸っている音が聞こえると思います。つまりそれがエンジンの圧縮によりキャブが霧吹きのようにエアとガソリンを送る音で、電気など一切使わないシンプルな機能がわかると思います。
それと同時にロッカーアームや、エンジン内部を通るプッシュロッド、タペットの点検を行いますが、ここでも、僅か数本のボルトを外せばエンジンヘッドが取り外せ、その調整が簡単にできるようになっています。
プッシュロッドで押し上げられた場所にあるアジャストスクリュー(画面上)をロックナットを緩めて調整するだけですが、これを5000km毎にやらねばなりません。最低限度、この調整を覚えないといけません。
シックスネスゲージ、0.2〜0.22で行いました。現代のよりだいぶゆるいですよね?
さて、いよいよ次回はエンジン始動ですかね。
posted by くらさん at 05:58| Comment(0) | TrackBack(0) | motoguzzi

2019年06月27日

モトグッツィ ルマン3 レストア記#3 【motoguzzi lemansV】

 モトグッツィ は日本でモトグッチなんて呼ばれ方をしているけど、正式にはモト・グッツィと言います。そんなことはさておき、ロンバルディアの青い空を思い浮かべながらほぼ毎日、明けても暮れてもレストア作業とパーツの発注に忙しい私です。これは実はもうある程度終わってから記事にしてるのでその時間を思い返すと、いろいろ思うところもありますが、さて今回は電気配線やホース類のリプレイスや点検を行った記録です。

実はレストア作業って凄い事のように思っている人もいるかと思うのですが、そんな事はありません。現代のコンピュータを積んだバイクではないので極めてシンプルで簡単な構造とも言えるのがこの時代のバイクです。
でも、何が何だかわからないと思われる方もいらっしゃるので、先ずは簡単に頭を整理することが大事なんです。

そもそもバイクや車って何で動くの?
シンプルに電気と空気とガソリンが燃える事で動いてます。
これは今の時代も変わる事なく、同じなのです。
僕のルマンに置き換えると、発電/オルタネータからバッテリーに行き、イグニッションコイルからスパークプラグに電気が送られ、キャブレタで空気を吸って、タンクからきた燃料と空気を混合させた物をピストンが動く事により注射器のようにシリンダ内にキャブから吸い出して、プラグコードが火花を散らし、シリンダ内で燃え、その力でピストンが上下運動を繰り返し、排気、吸気(燃料含む)の連続運動を行うだけの物です。
エンジンをかけるためにセルモーターが点火の前にピストンを動かしてくれたり、キックで人間が動かしているから、始動は行われるわけです。つまり、シンプルに通電が行われ、ピストンがスムーズに動き、キャブが空気と燃料を適切に混ぜた物をエンジンに放り込んでくれればいいだけです。

壊れた、調子が悪い、と思うなら電気、空気、燃料がまず適切なのかを考え、さらに注射器と同様のピストンが適切にキャブから空気と燃料を吸い出せているか?(圧縮)を考えれば理解できると思います。

でもそれにプラスして知識の領域が広がると、プラグの点火タイミングや、キャブの燃料と空気の混合率の調整や、エンジンの吸気、排気弁、つまりバルブやそれに伴うタペットの調整の技術や専門的な知識が必要な工程に入ってきます。
でも、恐れなければ先ずは10年前は無事に走行していたのだから、空気、燃料、電気をチェックしていけば道は拓けてくるものです。
それが理解できれば、ほら、たかがボルトを緩めて締めるだけなのですから誰にでも可能なことかと思います。最悪わかんなくなったらプロに頼んじゃえばいいんです。でも、何も理解できないで頼むことは出来ないと思いませんか?

これエンジンかからないからなおして?とか、調子悪いんだけどどうしたらいいか?なんて持って行っても、プロの整備士だって原因なんかわかるわきゃないんです。だって、普段からそのバイク見てないなら、消耗部品のサイクルや、エンジン内のパーツの交換サイクルなんか壊れた症状で理解できる範疇は限りなく少ないんですよ。
何故エンジンがかからないのか?だけで無限の可能性があったりします。
プロにも責任がありますから、受けた以上は直さなければなりませんし、不具合を見つけなければならないので余計な時間と作業が山ほどかかって請求の値段に乗ってきます。

それなら、壊れた箇所を名指しでこれだけ交換してちょうだい、点火時期がズレちゃってるみたいだから調整してちょうだい、とピンポイントで言うことが出来ればそれしかプロには責任がありませんし、それだけやればいいわけですから金額も安くなりますし、技術者との会話も弾んで仲良くなることもできますよね。

そうするためにはこのモトグッツィ ルマンの全ての状況を把握しないといけませんので、自分でレストアを行なって現状を明確に確認しているのです。
お店との信頼関係が揺らぐときってだいたいは自分の知識不足だったり、経験不足だったりする中で、極力安くお願いしたい場合に起こる場合が多いです。
プロとしてはあれもやったほうがいい、これもやったほうが先々安心だと思っていても、乗る側は理解できなければ、とりあえず壊れた箇所だけを修理する金銭しかなければ、そこだけ修理して送り出します。店側もなるべく安くやってあげたいとも思うでしょうから。
そして短い期間でまた違う箇所が、、、というジレンマに陥り、嫌になり手放したり、技術者の責任にして悪口を言う人も実に多いと思うのですね。

それらが面倒なら新車を購入して同じディーラーで整備を継続的にやってもらうしか無いわけで、こういった古い不動バイクを手に入れることがどういう事なのか?
それを考えた先にある、それに乗り続けたい、走りたいという幸福感を私は求めているわけです。

burizer.jpg
ルマン3はエンジン本体からブリーザーホースが出ていて、フレームの中に接続されています。もうあちこち劣化で切れてしまっているので新品に交換しました。エンジン側に簡易な弁がついていて圧で開く仕組みですので、ホースなんかホムセンで径と耐久度が合えばなんでもいいわけですし、逆にレーサーみたいなしっかりとしたホースを組んでも安くてカッコ良いのですが取り敢えずは手に入るノーマルパーツは発注というわけで、新品と交換しました。リタン側は見当たらなかったのでホムセンで耐油性の高いホースに交換です。
タンクやキャブを外してしまえば劇的に整備性が良くなるのがこの手の年代のバイクのお約束。
igcoil2.jpg
IGコイルの抵抗値を調べ配線の電圧も調べ、さらに接点を磨き。
わからなくならないように写真を撮りまくります。
なにせ手元にマニュアルもありませんし、ネットを検索しても当然、そんな記事は出てこないのです。ネットや検索は万能って思ってる人もいるかもしれませんが、所詮はネットに載っている物は2000年代以降の知識が大半だったり、古い物でも現代に流行して流通している物は書く人もいますが、そもそも台数も少ないこの手のバイクはパーツごとに清掃や取り外しをしながら、組み上げて行くしか方法はありません。
igcoil1.jpg
真ん中の太いのがプラグコードとなり、奇跡的に手に入れた配線図を追いながら線や接点の劣化を確認し、直して行きます。プラグコードは当然、カバーも含め、全部ダメになっているので交換となりました。プラグはイリジウムに変更し、コードは赤のシリコンコードにしました。
当然この手のモノも磨き上げ、長年の埃や錆、汚れをきれいに落とし、再度戻して通電確認をしていきます。
igcoil3.jpg
キャブレターは時間がかかるので、そこからエンジン内に雨やほこりが入らないようにしっかりと蓋をし、ブリーザー関連、イグニッションコイルとプラグ、プラグコードの交換ができました。

モトグッツィはエンジンを下ろす事はそれほど労力がいりません。
でも、出来れば2万も走行していない車体ですのでエンジン、ミッション周りは問題がないと思いたいわけです。ですからこのまま乗せた状態で作業を進めて行くのですが、当然、かからなければエンジンを下ろし、分解、清掃、交換をしていかなければなりません。
posted by くらさん at 03:33| Comment(0) | TrackBack(0) | motoguzzi