やっぱり自然とアウトドア最大の目的でもある焚火は議論がつきない話なのだが、僕がキャンプを始めた頃は知識もなにもなくて、調理なんかは焚火でする物だと思っていたし、マキなんかは買う物ではなく拾うもんだと思っていたと言う話になって行った。もちろん、現在では道具も一通り揃えているし、焚火なんかしなくても十分なほど調理できるバーナーも揃えている。
やはりバイクっていうのは車ほど荷物を載せられないし、出来ればキャンプ地までの行き帰りでも走りを楽しみたいので、必然、最小限の荷物でキャンプする事が理想だ。
じゃあどこまで出来るのか?というテストをしようって事で、寒い時期なので日帰り、そして焚火に絞ってやってみる事にした。ルールは単純にマキや焚き付けは現地調達、特に意味はないけど火つけはライターなどは使わず、ファイヤースターターのみで行うという事にしてみた。

メタルマッチ、とかファイヤースターターと呼ばれるマグネシウム製の金属棒をこすって火花を飛ばす道具がこれである。雨に濡れようがなんであろうが、とにかく火元になるので、こいつを所持し、使いこなせるならばいいにこしたことはない。ただし、様々な好条件がおり重ならなければ楽な道具ではない事は間違いはない。

クロスカブ3台、リトルカブ1台、タイカブ1台の計5人で丹沢まで出向き、一応は火を起こせなかった時のために昼飯用に火器を持ち込み、形上はラーツーというテイで臨み、ハラを満たした上で焚火にとりかかった。
幸い落木や枯れ木がふんだんにあり、枯れ草もそこらじゅうにあったのだが、前日の雨でやはり木は湿っている。それでも拾い集めナイフでフェザースティックを作り、枯れ草を鳥の巣のようにゆるやかに巻き、ファイヤースターターをこすってみたが、やはり思うようには着火しない。多少の湿気の問題もあるが、この手の火種は小さくついた物を息で大きくしていくのが定石なのであるが、ひとりの参加者が枯れススキを発見し、いくつかちぎって持ってきてくれた。
ちょっとだけ昔を思い出し、いやーな予感がしたのだが的中!ファイヤースターターを軽くこすった程度で、すさまじい勢いで燃え上がり、一瞬のうちに苦労して作ったフェザースティックまで燃やし尽くし、そのほかが燃えない。。
あーそりゃそうだよね、自分の未熟さに笑いながらもそれならと、ススキを再度集め、それを枯れ草で包み込み燃えづらくし、その上に小枝を乗せつつ、再び着火、今度はゆっくりと燃え広がってくれて大成功。
枯れススキを枯れ草で包み、小枝、そして徐々に材料を大きくし、石を風除けに配置しながらその石をうまく使い、大きなマキを乗せながら火を安定させる事は、一旦ついてしまえば普通の焚火とまったく同じ工程だ。
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ファイヤースターターやメタルマッチで、自然のそこらに落ちてる材料で焚火をする場合は、このように季節によっては本当に簡単で、枯れ果てて落ちた木や、焚き付けに使える枯れ草、ススキなどあれば難しい事でもなんでもないと思う。
過去にやったときは、枯れた杉の葉や、どんぐり、季節によっては木の皮、特に松なんかを使えばなんとか可能であると思う。手間をかけて落木をナイフで紙より薄く細くフェザースティックにするとかの工夫でも可能だ。
逆に絶対無理なのは、落ちている枝や木ではなく、切ったばかりの生木や芯まで濡れそぼった木、まったく焚き付けを加工して作れるナイフや道具、技術が無い場合だろう。これはライターを使ったとしても、焚き付けに紙を持参しなければいけなかったり、それ用の便利な着火剤に頼るしかなくなる。
ただし、今回は売ってるマキもライターも着火剤もなにもかも使わず、ファイヤースターターで自然にあるもので焚火をするというテーマでやった事で、別にそんな苦労をわざわざしないでも、結果、焚火が出来て暖をとれて、楽しめればいいと思うし、普段の僕はそれに近いどころかキャンピングカーでお手軽、快適にすますことだってあるのだから。
ただ、やはり究極のアウトドアは知識や技術とわずかな道具で、どう自然と向き合い、楽しめるか?っていうのもテーマだし、なんでもかんでも金で買えるモンで快適にすますってだけでは楽しさの共有も狭まってくると思うのだ。
これから、少しずつ、そういう方向でのアウトドアの記事も書いていきたいと思ってます。