
GERBING'S ガービング
私の使用している防寒システムは、すでに4年も前にハーレーを購入した時に揃えた物なので古い。だけど今でも何不自由なく使っているし、量販店で見かける物と暖かさに差があるとも思わないので買い換える必然を感じていない。つまり、この手のものはそれほど暖かさという意味では進化はしない。ただし、この古いシステムと比較して新しいモノの何がいいかは後述。
ジャケット、パンツ、グローブの三種をつないでコントローラーで統合して温度管理を行うシステムになっていて、コントローラーから伸びるラインをバイクにあらかじめ装着したラインと接続するだけのことなので、乗降に不便を感じることもないし、バイクがBMW R1200GSだった時も継続して使っていた。

コントローラーは無段階で任意に温度調整ができるタイプで左側にまわし切るとカチッという感触とともにオフになる。コントローラーは数種類販売されていて、安価な順にスイッチON/OFFのみ、無段階1スイッチ(画像の私のもの)、無段階2スイッチ(ジャケット、パンツを独立して温度調整可能)という物があり、バイク側での接続はハーネスをバッテリーに直接つないで出すだけで、誰でも可能だ。

余裕のあるジャケット側にラインがまとまっていて、パンツやコントローラーはジャケットの裏側でまとめて胸ポケットに放り込んでおくだけでいい。見た目ほど邪魔になるわけでもないのだけど、当然これらは全てインナーだ。
つまりは、アウターの下に着込む物で、よそ様の目に触れる物ではない。ちなみにグローブは両袖の先端のラインに接続する方式で、私は所持していないが、靴の裏に仕込むインソールも販売されている。
最大温度は57度で、それ以上の温度向上を望んでも熱くてヤケドするだけなのでまったく意味はないのだけど、問題はどの程度の時間で体が温まるか?スイッチを最大にして数秒で全身があったまるというのは嘘ではなく、本当に即時に温まる。これで氷点下付近の深夜を走行したこともあるが、寒いのは顔くらいなもので、全身コタツに入ったままバイクに乗っているような感覚だ。
ただし、これはインナーなので暖かさを維持させるにはある程度の注意が必要で、冷気を通すような素材のアウターではせっかく温まっている服の中の空気を冷やしてしまうし、それでもヒートされている部分は常に熱源として体を温めようとするのでマシと言えばマシだけど、けっこーそれじゃあ寒いのだ。
特にパンツはジーンズなどの下に履いても発熱が冷気、冷風による冷えに負けてしまう部分もある。
逆に風を通さず保温性能の高い素材のアウターの下に装着した場合は、ロンT、ヒートジャケット、アウターだけでもぜんぜん寒いと感じないし、逆に暖かさを痛感できる。
最初は気軽なファッションの下に着膨れせずに真冬にバイクでツーリングに行けることを想定して購入したのだけれど、実際のところは、アウターに何を着るか?素材によって熱を保存する効率が大幅に変化するものだと感じる。
最近の電熱ヒーティング事情はやはり省電力化で、ハーレーや大型バイクのように発電能力が高いジェネレーターや大容量のバッテリーを使っている物ならなにも問題がないが、すさまじく電源を使うので、(最大77W 6.5A)乗っているバイクの電源事情を加味して選択しないと役に立たないどころか、取り付けすらできない場合もある。
私の使っているモノよりも今は、省電力の物があるし、ひとつの基準としては即暖性と、50度以上の能力を持った物を購入すれば間違いはないのじゃないかと感じる。
多少性能が劣っていても、きちんと温まった空気を保持できるアウターを用意できれば確実に暖かい。だって、体温を逃がさないためのものではなく、それそのものが発熱する物なのだから、ある程度のモノなら寒いわけがない。
とにかくジャケットやグローブはともかく、下半身はなにかとジーンズや革パンなどピッチリした物を着る人が多いと思うので、それだと性能をほとんど発揮することができないというレビューだけは書いておきます。やはり温まった空気をどう逃がさない、冷やさない、かの工夫はこういった物を使っても同じだ。
良い点
薄めにできているので、インナーとして使い、モコモコと重ね着をたくさんしないでも暖かい。
汎用性もあり、発電、バッテリー性能がマッチングしていればあらゆるバイクのバッテリーからのハーネスで使えるので、乗り換えた時に便利
どんな高価なジャケットよりも発熱するわけだから暖かい。特に高速道路を真冬に移動したり、徐々に奪われる体温の保持は集中力低下により事故につながりやすいので防止策としてもよい。
悪い点
結局アウターの防風などの性能に左右される程度の熱量しか、低音ヤケドなどの心配があるため、発熱することができないのは進歩しても変わらない。あらゆる熱線アイテムはアウターの性能に左右される。
消費電力が高いので、計算づくの導入が必要