2019年06月23日

モトグッツィ ルマン3 レストア記#2 【motoguzzi lemansV】

BARASHI1.jpg
先ずは現場確認からスタートです。
※リアサス
バンプラバーが砕け、砂のような状態。スプリングに錆び。
これはもう新しい物に交換しましょう。
※フレーム
削れた部分に錆びあり、錆びを削り落とし、ところどころ塗って行く作業で対応することに決めました。本来は頑丈な結晶塗装などをほどこしたい所ですが、今回は見送りです。
※電配線/ハーネス
外装を外し、1日かけて通電テスターなどでチェック。
メインハーネスはOK
イグニッションコイルOK
プラグキャップ、コード 交換
バッテリー 交換
接点磨き 各部清掃で対応
ハンドル周りスイッチ類
点検、接点強化ハンダなど
スターター 動作確認/のちにこれが問題に
※油脂類
洗浄のため、一旦すべて交換し、走り始めたら再度交換
※ブローバイ関連
全交換
※ワイヤー類
全交換
※キャブレター周り
オーバーホール
※ブレーキ F/R
オーバーホール パーツリプレイス
※タイヤ
F/R チューブ含め全交換
※サイドスタンド
交換
※エンジン
点検調整
※ミッション/フライホイール
点検調整
※ドライブシャフト
ブーツ交換 点検
※フロントサス
カートリッジ式のため、先送り
※燃料タンク
錆びがひどいので錆び落とし
燃料コック 要交換
燃料ホース 要交換
※ベアリング類
点検 注油
※排気
マフラー清掃
フランジ 清掃
上げたらキリがないですが、あらかたの感想はハーネスが生きているだけでも一安心、時間をかければ動くようになる。というのが結論です。ここから悪戦苦闘の旅が始まるのですが、ツイッター上では日刊モトグッツィを作ろう!などというタグをつけて毎日、なにかしらを治すように心がけて行くことに決めました。
back-barashi.jpg
レストアで大切なのは掃除だと思います。
きちんと見えない部分も含め、ひとつひとつのパーツを外して磨いてあげなければなりません。動くからいいや、動作しているからいいやでは、そのうち汚れや古くなってへばりついたオイルが故障の元になっていくものだと思います。
アルミヘッド周りの清掃は困難を極めますが、このルマン3だからこそレストアに光明が見える部分もあるのです。それは、モトグッツィでは初めてアルミヘッドを採用し、ニカジルメッキをシリンダー内に施していることから、放置されていても錆びや、破損が起きている可能性は少なくなっています。

tank.jpg
タンクの錆落としは何度も繰り返し、ケミカルと湯で行いましたが、完全に除去とまでは行きませんでした。これ以上は無理というところで再発防止材を添加し、ごまかす感じですかね?
これはあまりおすすめできませんが、これ以上やるとおそらくタンクからガソリンが漏れる可能性があり、そのうち、新しいタンクに交換したほうがコスト的にも優しいでしょう。
neji.jpg
ネジ類の錆び落としも重要なんです。
この年代のマイナーバイクに使われているネジは、そのへんであまり手に入れられるものではありません。特に、13mmであるとか、日本では馴染みのないサイズのネジが大量に使われており、工具を揃えるだけでも大変です。

思っていたよりは重症ではなく、かといってこれらを業者に頼めば大変な金額にもなります。正直、この段階ではパーツがすべて揃うかの自信もありませんでした。とにかくあとは磨くだけ磨き、組み付け、やっていくしかないでしょう。
posted by くらさん at 18:00| Comment(0) | TrackBack(0) | motoguzzi

2019.6.22 FMやまと

FMやまとでのラジオは全世界(笑)でサイマル放送として視聴可能です。

 さて、今回から放送後記として記事をアップしていこうかと思います。
今週の内容は以下の通りとなっております。

【フリートーク】
青春時代の憧れ、バイクと青春について。
今回手に入れた、モトグッツィについてです。

【あの頃の僕らに突っ込みを】
その昔流行した曲の詩を、その時代の背景とともに語るコーナーです。
今週はチェッカーズ Jim&Janeの伝説
80年代に青春を送ったバイク乗りならわかる歌詞の内容。
暗い内容ですが、送り火のような尾灯の表現、若さだけが持っている
感傷的ではあるが、感受性豊かだったあの頃の若者たちの感性を
表現した歌詞ではないでしょうか?

【モーターサイクルフレンドシップ バイクの輪】105回
今回の出演は 木内万絢(きうちまひろ)選手
8歳からバイクに乗り、レースの世界へ羽ばたく17歳女子高生。
とてもしっかりとした受け答えに感動しました。
愛車CBR250RRで、ドリームカップ参戦中!
多くの選手が幼い頃から両親の影響でバイクの世界に入り、レース活動
をはじめるが、木内万絢さんは自分で興味を持ち、道を切り開いています。
リスペクトですよね!ほんとうに。
女性と男性のレース現場での差、あくまで自然体でニュートラルな精神状態
でレースに挑み、大雨のコンディションで表彰台に立った話。
いずれ世界の舞台に羽ばたいてゆくのではないでしょうか?

【横濱ローズ】
相変わらず、空気の読めない年齢不詳の謎の女。
歴史上の人物から神の世界まで、網羅する男性遍歴を持つミステリアスで
個性あふれるローズさんですが、今日の語り?は友人だと言い張る、
エカチェリーナ2世のシモの話。
おいおい、リスペクトすべき若い女性レーサーの素晴らしいお話の後に、
なんて話をするんだ、この人は。。。。

今週も、ゲストの素晴らしいお話と、オバカさんな僕らのラジオの明確な
コントラストにおつきあいいただき、ありがとうございます!

posted by くらさん at 07:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 放送後記

2019年06月22日

モトグッツィ ルマン3 レストア記#1 【motoguzzi lemansV】

【motoguzzi lemansV】モトグッツィ ルマン3
 若き日の憧れ、モトグッツイ ルマン3についてまずは話したい。
イタリア最古のメーカーであり、ジョヴァンニ・ラヴェッリとエンジニアで社名の元となったカルロ・グッツィ、富豪のジョルジョ・パローディの3人がイタリア空軍に招集されて出会い、戦争が終わったらメーカーを立ち上げようと誓い合ったことがきっかけで創業した、なんていうのは、Wikiやネットを見れば興味を持てばすぐに理解できる内容だ。

 この1921年創業のイタリア最古のモーターサイクルメーカーはテストコースすら持たない、なんと創業当時から会社の屋上でエンジンをかけ、検品し、街中の一般道や高速道路でテストを重ねるメーカーだ。そしてロンバルディアの創業場所すら変更されたことはないのである。
つまりこの僕の愛車となるルマンも世界中で走るモトグッツィの新旧を問わず、すべて同じ場所で作られ、ロンバルディアの空や風に触れながら世界中に運び出されていった車両ということになる。

guzzi-yoko.jpg
ガレージで数年、外でカバーをかけてさらに数年放置されてしまった車両は、もちろん前オーナーが愛情がなかった訳ではなく、僕の年齢になれば他人事ではないが健康の問題と置き場所の事情でゆっくりと朽ち果てる過程にあった。
僕は青春時代にこのルマン3に憧れがあり、特別な感情があった。
ある雑誌の記事で読んだ真紅のルマン3は小僧だった時代には高嶺の花であり、生涯乗ることはないであろう手の届かない花とも思える金額だったのも覚えている。
guzzi-olins.jpg
目の前のそのかつての高嶺の花はステップのゴムは破れたまま硬化し、リアサスのバンプラバーは土となって崩壊し、懐かしいタイヤ、ピレリファントムは弾力も失いプラスティックのように硬く、埃と砂をかぶったデロルトキャブレターは崩れ落ちる寸前のような状態でそこにあった。
guzzi-noru.jpg
誰でもどんなに憧れていても金銭の問題ではなくても、手におえない世界というのが世の中にはあることを僕の年齢になればよくわかっているつもりだ。
前オーナーはいつか直して乗ろうと体調を崩されても所有し続けていた。その気持ちは金銭などではなく、転売などせずに末長く顔のわかる相手に譲りたい、直して乗り続けてくれる人に託したい。というものだった。
思いの深さや責任は、自分勝手ではない正当なバイク乗りならば必ず理解できるはずだ。

散々に悩み俺に手に負えるのか?自問自答を数ヶ月繰り返した。
この状態のバイクをレストア工場に出すなら、とんでもない金額になってしまうだろうし、そもそもこの年代のバイクは日本車であれ、海外であれ、乗り手がそれなりの知識を持ってメンテナンスを行えなければ長期間の維持など不可能なものである。
考えてみて欲しい、ほとんどの人は同じバイクに数年乗って乗り換える。それは悪いわけではないし、僕だってすべてのバイクを長期間維持してきたわけではない。ほんの数年、下手すれば数ヶ月で乗り換えたことだって何度もある。
それは免許条件が変わったり、使用しているフィールドが大幅に代わり、例えばキャンプや旅、林道やレース、人は欲張りにも多くの環境変化により乗り物を道具として変更して行く。

僕の年齢になると何故か時間の進みが早足に感じ、気がつけば十年なんてことはザラにあるだろ?だからこそ僕はこの若き日に惚れたバイクに向き合い、それを直し、生涯の伴侶として売ることもなく乗り続けなければならない覚悟が必要だったのだ。
だが結局、僕は写真のように跨った瞬間心が決まってしまった。
冒頭のモトグッツィの歴史に述べた通り、このメーカーは熱く、強い友情の絆によって生み出されたメーカーであり、いまだに創業の地ですべてのバイクを生み出している唯一といっていい古豪メーカーだ。
その歴史はまもなく100年を迎えることになる。
1981年から生産され、1983年までのわずかな期間に生産されたこのルマン3は、1976年の初代ルマンからの流れを汲む850ルマン最後のモデルであり、完成度も非常に高い。跨った瞬間、朽ち果てかけたルマンが僕に語りかけた気がしたのだ。それは決して助けてくれ、などというものではなかった。それは、多くのライダーが跨ったら買うしかない、跨ったら終わりだ。と思った時に感じるものと同じ、その瞬間に感じたさぁいこう、俺と走りに行こうぜ!という風と走り続けるビジョンだった。

こうして僕とこのmotoguzzi lemansV モトグッツィ ルマン3のレストアがはじまったのだ。ほんとうに僕のバイクになるのは動き出して、前のオーナーに見せにいって喜んでもらってからだと思っている。
そして愛車になるのは、前オーナーの家で迷いながらも跨った時にコイツに語りかけられたビジョンを見てからである。
posted by くらさん at 02:34| Comment(0) | TrackBack(0) | motoguzzi